どうも、NOVAです。
今回は顧客意識についてのお話となります。
社会人になるための8つの意識とか5つの意識とかに必ず含まれているのがこの顧客意識です。
お客さまは神様などと言われていた時代がありました。
ここでは皮肉交じりで過去形にしてしまいましたが、現在ではこの言葉が出てくる時って割と批判的に語られることが多いと思います。
ちょっとネットで検索しても、「お客様は神様ということの本当の意味」とか沢山ヒットします。
経営者が従業員に対してストレートに「お客様は神様なんだ」と表現するシチュエーションは減りましたが、俺は神様なんだ、と言わんばかりの態度を取っているお客さんはいつでも一定数いるものです。
なぜ神様なのかと言えば、お金を払ってくれるから、とう小学生でもわかるシンプル明瞭な答えがあるわけですけれども、
どうしてお客さんと接客員は対等なのですか?
って聞かれれば途端にフワフワした答えになったり、自分はこう思う、的な個人の意見に終始してしまいがちな方が多いものです。
多くの場合、接客などの仕事上での嫌な体験からの個人的な感情を伴った意見だからかもしれませんね。
ここで顧客意識の在り方を根本から理解することで顧客を相手に変に卑屈になることなく、且つ変にアンチ意識になることなくきちんと意識を持つことが出来ます、ということでお話を進めていきます。
目次
Facebookに流れてきた記事
最近Facebook上でこのような記事が流れています。店に寄せられた同性愛者の入店禁止を求める「お客さまの声」に対する、店側の回答がTwitterで話題に
事の始まりは、あるお店にご来店されたお客さまのクレームです。
<お客さまの声 全文>
最近、このお店に買い物にくることが多いです。
安いし、品揃えもいいし、最高です。ですが、昨日来たときに気持ち悪いものを見ました。
昨日、お店に来たとき1階の駐車場で、車の中から手をつないで出てきた男の人たちがいました。 同性愛者というやつなのでしょうか?
最近はどんどん増えてきているといいますが、やっぱり見ていて気持ちが悪いです。
お店としては、そういう人たちを入店できないような対策を取ろうとは思いませんか?
そういう人たちは家とかでこそこそ会っていればいいのに…と思います。 対策とかしてくれないなら二度と来ません。
そういうお店ってこともインターネットに流します。
ちょっと違和感があるような文ですが、ともかく同性愛者を来店させるなと、来店させるならもう来ないしインターネットで格差させると。
最高だと、利用し易いとお気に入りのお店相手に、何故か最後は脅しになってしまっているという。笑
でも感情的な人にはありがちのパターンとも言えないこともないです。
で、この記事の話題性は次の店舗側の対応にあるわけです。
どうやら今回は本部が直々にクレーム対応したようですね。
<店側の回答 全文>
結論から申し上げます。
もう来ないでください。
当社では、同性愛者の方も異性愛者の方も関係なく、皆さま同じお客さまとして接しております。お客さまは神様だという認識も誰一人として持っておりません。
皆さま大切なお客さまです。
お客さまを侮辱する方を、当社はお客さまとしてお迎えすることができません。
ですので、二度と来店なさらないでください。
また、当社ではLGBTの方々が多く働いておりますが、気持ち悪い、辞めさせろといった意見は一切出ておりません。
あなたさまの考え方や感じ方を否定するつもりはございませんが、LGBTの方々の生き方を真っ向から踏みにじるような言動はおやめください。
それだけをお願い申し上げます。
これまた違和感満載な文章で微妙な感じなのですが、とにかく会社側の対応としては、お客さまにもう来るなと言い放った訳です。
その会社の対応に対して、清々しいとのコメントが多数寄せられていました。
賛否両論との意見もありますが、コメントを見る限りでは喜んでいる人が圧倒的に多いようでした。
この記事が拡散されたのは、多くの人が思うところの顧客対応のイメージとのギャップが多くの人の興味を誘ったのだと思います。
つまりお客さまは神様という顧客意識からくる一般的な会社の対応とのギャップですよね。
ただ内容はともかく、個人的にはこの会社の対応文は好きじゃありません。
はじめに気になったことは、この回答文から滲み出る安っぽさです。
会社の本部がこのような文章とはちょっと驚きです。
(一応、この記事が事実だという前提で話を進めていきますが、事実かどうかは怪しい感じもします)
また、この記事に賛同して、よく言った!みたいなコメントの羅列には、ある種の怖さを感じてしまいます。
単純にお金を払ってくれるお客さまは神様だって言われ続けられた反動なのかもしれませんが、それでも感情が感情を読んでいるあたりにある種の怖さを感じてしまうんですね。
個人的にですが。
なぜお客さんは神になるのか
会社側の対応が非常に感情的なのにもかかわらず、それに共感して感情的なコメントを打ち出す人が多いことになぜ怖さを感じるかってことですが、感情が感情を呼ぶ。
個人的にはこれに恐れを感じるんですね。
たとえ感情的な文章に共感を覚えたとしても、そこに感情的に賛同するとその流れは大きくなったりしますから。
極端に言えば、暴動や革命の流れはこういった感情の連鎖だと思っています。
争いを無くそうと言う人が、感情に乗って感情的になっていたら、結局はそれは大きな流れとなり、結局は争いを生んでしまうのではないかと。
ちょっと蛇足でしたね。
お客さんと対等に接してはいけないのか
話を戻しまして、飲食店や家電量販店などにいくと横柄なお客さんっていますよね。僕は昔、店員さんに初っ端からタメ口きく時点でアウトで、店員さんにタメ口きくのであれば、店員さんもタメ口で対応しても良いのでは無いかと思っていたのですが、今一度これを経営者目線で考えてみましょう。
経営者からすれば、基本的には自分の起こしたビジネスを拡大する上で、自分だけでは手が回らずに、誰かに助けてもらう必要が出てきたときに、雇用契約を結んで自分の事業を手伝ってもらうわけです。
つまりその事業にとって役に立つ人材は重宝するし、どんなに努力していても努力の方向が事業の内容からズレていれば、その人材は会社にとってあまり必要では無いということになってしまいます。
うまいこと上に取りいりやがって。結局は媚び売ったもん勝ちかよ!
こんな感じでの社内での昇進に関する不平等感というものの原因の1つがこの経営者目線です。
では、お客さんにタメ口を聞くというのも経営者目線で見てみるとどうでしょ?
言ってみれば、その会社の事業理念に反していなくて、会社の利益に繋がっていれば問題ないということになります。
有名なアパレルなどでは、そのような接客態度自体がお店の特徴となりブランドとなっている場合もありますから。
とはいっても、従業員の接客がそれなりの場合、やはり客層もそれなりになるのですけど。笑
また、やはりお客側とお店側のどちらであっても最低限の挨拶が出来ているかどうかは言うまでもありません。
これは最低限の敬意だと思うのですが、意外と疎かな方が多いものです。
単純にお店の店員さんに対する敬意を持つというだけの話なのですけどね。
では、そのお客さん側からの視点で考えて見ます。
お客さんがお店の人にタメ口をきく
まず知らない人相手にいきなりタメ口で話すというのは、2つ考えることができます。1つは日常の習慣(クセ)
その見分け方は単純で、お客さん自身がタメ口で接客された時にどのような気分になるかってだけです。
これは本当に単純なことですが、自分がされて嫌なことはしない方が良いってことと、どんな相手であってもとくにも初対面では敬意を払うという基本的なことが出来ているか否かということだと感じます。
心の何処かでお金を払う方が立場が上という意識がタメ口となって出てくるんじゃないかと、そんな風にも考えることができるわけです。
また、どんな場合でも販売においても営業においても、人と人との間にはステージのやりとりが行われるものです。
お金を受け取る方も、その対価として商品なりを売っているのですから毅然とした対応で良いのですが、ここでもある視点が必要になります。
多くの企業がやってしまっている相反する企業戦略
企業というものは3つの戦略のいずれかに属しています。・エフィシェンシー(効率化)戦略
・ホスピタリティ戦略
ホスピタリティ重視の企業であれば当然にサービスに対しての対価となりますから、徹底した対応が必要になります。
効率化重視であれば、サービスを減らしても効率化を重視して価格を下げたりするわけですし、イノベーションであればアイディア重視となります。
ここで非常に大切なことは、これらの企業戦略は実は互いにぶつかり合う性質のものだと言うことです。
これらの企業戦略は3つが互いにぶつかり合うので、いずれかを柱におくのですが実は1人の人間の中では絶妙なバランスでこれらが共存していたりするので、企業の社長さんなんかは3つを併せ持ってたりします。
企業としてみるとこれらはぶつかり合うので、どれかに絞った戦略が必要になるんですね。
企業内で働く場合は、この辺りを見極めた顧客意識というものが必要になってきます。
とは言っても実際にそこが徹底できている会社というのは稀だと思います。
多くの場合は企業理念を見てもわかる通り、この3つがごちゃ混ぜですから。
だから、TPOに合わせて適時に自己判断しろと言ってきて、自己判断とは個人の価値観によりますから、企業戦略にあわない判断をしていると評価されない。
でも企業戦略に合わせようとしても、そもそもが戦略の柱が見えてこない。
さらには上司もそのあたりまで理解が及んでいなかったりするともう最悪なわけです。
で、その上司の価値観、もしくは企業の価値観に染まったころに居心地が良くなってきたり。苦笑
何だかんだでオモイヤリ
最後に最初の例に戻って、僕がなぜあの会社の対応の仕方が気持ち悪いか、あの文章から嫌な気持ちになったかですが、僕のメルマガやサイトを見てくれている方にとっては言うまでもありませんが、ビジネスとは相手の悩みを解決することから始まるものです。そして端的に言えば、解決された相手は対価としてお金を払うと。
この時に売り手と買い手の間にはあなたはあなた。私は私という利害関係だけの関係性となりやすいものです。
しかし、一見シンプルで良さそうなこの関係は実際は売り手と買い手の間に大きな壁を作ります。
そしてビジネスというものが他人の悩みの解決の提案だとすれば、相手の身になって考えなければ到底なし得ませんよね。
そこで売り手は考えるわけです。
彼らは何に悩み苦しんでいるのかと。
そう考えている時、売り手側は、相手のことを自分のことのように考えています。
つまりこの状態は「あなたは私」という状態ですね。
お客さんはどんなことに悩んでいて、苦しんでいるんだろうかと深く考えている時、人は自分だったらどんな風に悩み苦しむだろうかって考えます。
これがビジネスにとって理想的な状態であって、相手のことを自分のこととして考えている「あなたはわたし」という状態だと言うことです。
先ほどの例を考えてみます。
お客さんは同性愛者で悩んでいると、で根本的な問題はお客さん側の同性愛者に対する思いやりの無さにあるわけです。
お客さんからすれば、とてもじゃないけどその同性愛者の身になんかなれないと、そういう壁を思いっきり作っている状態です。
一方でお店側もお店側で、その問題を解決はしないまでも、浮き彫りにして思いやりの心で持って接すべきところを、思いやりのない感情をぶつけるような文章で対応しているわけで、これもお客さんとのあいだに思いっきり壁を作っている状態です。
まるで思い知れ!というかのように。
結局どちらからも思いやりを感じることができないのです。
もちろん簡単なことじゃないのは当然ですが、ビジネスというものの理想が「思いやり」にあるのであれば、そういう思いやりの前提に立っているかどうかは一つ考慮するべき点じゃないかと。
何かを買う時、食べる時、思いやりの気持ちをもっているお客さんも店員さんも実際に接していても端から見ていても気持ちが良いものです。
綺麗と思われそうな意見だと思いますが、せめてお店の本部からの返信にはそういった思いやりの気持ちを込めてほしかったなと感じたわけです。
思いやりのないお客さんに対して思いやりのない返答を返すのは、まるで目には目を、歯に歯をみたいな感じですし、それを気持ち良いものとして受け取っている世間も如何なものかと。。
もちろん普段からそのように聖人君子のように振る舞うことは難しいのですが、せめてビジネスを行う時、会社としての返信文を送る時などは文章を考える時間があるわけですし、もう少し理知的な文章でも良かったのではないかなと、そのように感じてしまったのですね。
どんなにキツく言ったところで、気がつくか気がつかないかは本人次第なのですから。
ということで、すっかりと長くなってしまいました。
顧客意識って比較的考えやすいテーマですし、ややこしい問題でもありますけど、普段の人間関係にも通ずるコミュニケーションを考えていく一つの切り口ともなりますので、あらためて考えてみても面白いと思います。
では最後までありがとうございました。
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